スズキスポーツ海外事業部勤務。JWRCのラリーコーディネーターを務めるバイリンガル。スズキスポーツ社内でも1・2を争うラリーオタク。愛車はシボレークルーズ。
 
 
このページでは、コーディネーターとしてラリーに参加するスタッフ、「Cookie(クッキー)」が見たこと聞いたことをレポート。現場の雰囲気を皆さんにお伝えしたいと思います。
まず、スズキJWRC WEBサイトでラリーの詳細をご覧になっていただくと、さらにこのページを楽しめます。
   
 




4月28日〜5月1日、JWRC 第3戦 ラリー・イタリア・サルディニアが、イタリアのリゾート地サルディニア島のオルビアを中心に行なわれました。

今年で2回目のサルディニアラリー。昨年まで港内にあったサービスパークがオルビア市街の近くに移され、アクセスし易くなりました。

ここサルディニアは、リゾート地として有名で、地中海に囲まれた風景はとてもすばらしく多くの人を魅了しています。
しかし、そこに設けられたラリーコースは、すばらしい景色とは裏腹に、ドライバーとマシンにとって非常に厳しい風景となりました。

今年のイベントは、一部SSが変更となりました。イベント主催者曰く「より、走りやすいSSにしました」という事でしたが、蓋を開けてみると、昨年以上のラフでタフなイベントでした。

特にコーナー進入するちょうど良いラインの所に岩がむき出しになっていて、 ドライバーとしては、"絶好のラインを避けてタイムを落とす訳にもいかない。しかし突っ込めばパンクや、車両にダメージを及ぼしてしまう可能性が高い・・・。どうするべきなんだ!"といった感じで、局面局面で一種のかけが必要となり、ドライバーの「運」が大きく順位を左右させたことを痛感したイベントでした


 
       
         
  島の高い場所から見下ろす地中海。最高の風景です。
  オルビアからSSまでの道。ホントに青い空と緑の景色が美しい。

  今回すべてのJWRCエントリーの選手が勢揃いしました。そこでマシンの集合写真。
  こちらは選手の集合写真。国籍は様々です。
 
       




今回「運」を一番味方につけられなかったのが、初日だけで4本ものタイヤをパンクさせてしまったガイ選手。しかも1回は右側前後を同時にパンク!

ご存知のようにWRCではスペアを2本しか搭載出来ないため、2本パンクしてしまうと次のサービスまでは交換するタイヤがありません。そんな中での2本同時のパンク。さらにパンクはまぬがれたものの、続けてタイヤトラブルが発生。何とか応急処置を施して、サービスへ戻ってこられたが ホイールに大きなダメージの痕が! 曲がり具合から、かなりの衝撃を受けたことが想像できます。
でもイグニスが頑丈なのが救いでした。ロアアームを破損しLeg2でリタイヤしてしまいましたが、そのほかの大きな破損が少なく、Leg3にはスーパーラリー方式で無事に再スタートする事ができたのです。


また、P-G選手もガイ選手同様にパンクに悩まされました。今回のコースはあまりにも極悪路で、P-G選手が「リアがグラついている!」と、報告してくる時があったのですが、実はすでにリアタイヤがボロボロになっていて、あっという間のパンクに気づかずに走り続けていたなんて事もありました。それぐらいタイヤに厳しい路面だった事がわかります。


しかし、何とか走り続けていたP-G選手にアクシデントが発生。
昨年は無難にこなしたクレスト(山)を、今年はおもいっきり飛んでしまい、着地でフロアを打ちつけてギヤボックスを破損。
この少しの判断ミスによって、リタイヤとなってしまいました。
しかし、ここは百戦錬磨のメカニック達がそろう我らがチーム。彼らのすばらしい技術とチームワークでガイ選手に続いてPG選手も無事に再スタートさせる事ができました。


 
       
         
 

白い砂で被われた固い路面で所々にゴロゴロと岩が・・・。

 

  これが、ラリー中みんなを悩ませたコーナーイン側の鋭利な岩。これ踏んだらひとたまりもないよね!
  3SS走っただけなのにすっかりタイヤの山が無くなっています。今回のコースは、相当ハードにタイヤを消耗するコースですね。
  タイヤバーストだけでなく、ホイールが割れている!ものすごい衝撃だったんでしょうね。

 
                 
         
  SSE(スズキスポーツヨーロッパ)のメカニック達。みんなハンガリー出身。   メカニック達の工具。作業前にはキレイに整頓されてセットされています。
  ガイ選手も自ら工具を取りに行きメカニック達をサポートしています。

  P-G選手はマシンのデータを収集。マシンには規定でメカニック4人、ドライバー、コドライバーしか触れません。
 
       
 
復帰したLeg3では、ガイ選手、P-G選手ともに好タイムを連発。
前日までの不運が嘘だったかと思うような走りで、PG選手が5位、ガイ選手が6位と見事に入賞ポイントをゲットしました。
しかし今回は、さすがに2人ともすごく落ち込んでしまいました。
特に今回はライバルであるシトロエンとの一騎打ちで、シリーズチャンピオンシップに関わる重要な一戦となるだけに、スタート前からかなりの意気込みで臨んでいました。
しかし2人とも、意気込みが逆に力みに変わってしまい、慎重さがかけていたことを深く反省していました。

でも次回はスズキが得意とするイベント、アクロポリス・ラリーです。ガイ選手は思い出の初勝利のイベント。2人ともすでにアクロポリスに向けて気分を入れ替えていました。


 
       
         
  同一コーナーでの8選手の比較写真。マシンの角度、タイヤの向き土埃の上がり方に注目!まずは、P-G・アンダーソン選手(SUZUKI IGNIS)
 

コスティ・カタヤマキ選手
(
SUZUKI IGNIS)

ウルモ・アーヴァ選手
(
SUZUKI IGNIS)

パヴェル・ヴァロウセク選手
(
SUZUKI IGNIS)

 
       
         
 
クリス・ミーク選手
(Citroen C2)

ダニエル・ソルド選手
(Citroen C2)

コンラッド・ローテンバッハ選手
(Citroen C2)

ミルコ・バルダッチ選手
(FIAT
Punto)

 
       




今回のラリーでは、相次ぐパンクやトラブルで苦しむドライバーが多い中、堅実な走りを見せていたのが、SSEから参戦のウルモ・アーバ選手。彼にとってモンテカルロで出走できなかったため、今回のイベントがJWRC3年目の開幕戦。
マシンは昨年まで使用していた2003スペックのイグニスから、2004スペックのイグニスに乗り換え、本番のラリーでは初めてドライブすることになったのですが、スズキのマシンを2年間乗り続けていた経験で乗りこなし、2位表彰台を獲得するすばらしい結果を残しました。



 

 


 
 
 




 
タイヤ

WRCではタイヤの使用本数が制限されています。例えば今回のサルディニアではピレリのKM4グラベルタイヤを各車両26本までと制限されており、
単純に3日間で割ると1日8本使えることになります。
でもそう簡単にはいきません。1日分をフルで使い切ってしまうと、いざ勝負!という時に新品タイヤを使えない場合があり困ります。

今回のラリーでは、Leg1で朝と途中1回サービスがありLeg2では朝と途中2回、Leg3では、朝出てゆく際の1回のみタイヤ交換を行う事に決めていました。
このスケジュールは、ラリー全体の走行距離や、その間にあるSSの距離、特色を十分に吟味し、ラリースタート前日の夕方におおよそのタイヤの使い方をエンジニア、ドライバーが話し合って決めます。
JWRCの場合、前輪駆動車なので勝負の時以外は毎サービスでは前輪のみを新品に、そして後輪には今まで履いていた物。そしてスペアには、勝負の為に新品を運んで行く事もあれば今までの残りで良い状態の物を運ぶ事もあります。
しかし、これに今回大いに悩まされたパンクが加わると、数が大きく減ってしまう可能性があるので、それも予想しながら吟味します。

特にモンテカルロ・ラリーではさらに厄介で、完全にドライな路面や濡れた路面、さらに雪や砂利もあり、スタッドタイヤを履くかもしくは積んでいくか、そしてリアにスリックかウェットを履いていこうかなど、とてもタイヤチョイスが複雑です。
タイヤチョイスが、勝負の行方を大きく左右するだけに、タイヤエンジニアという職業が成り立つのも納得できます。

 
       



     
 
 サービス
今回は、JWRC、WRC参戦中の各チームのサービスパークを特集しました。
 
       
         
  「MSEスズキチーム」、赤、青のチームが多い中、黄色は非常に目立っています。

 

ジポカーチーム、東欧のチェコから参戦のチームです。

  こちらはシトロエンチーム。WRカー同様、シンプルにそつなくまとまっています。  

こちらはフィアット・アベルトチーム。フラッグポールまで立っていてさすがイタリアと思えるセンス!美しい青をまとったマシンがキレイです。

 
               
         
  「シトロエン」丸いテントが素敵ですね。
 

「シトロエン」ここはまるで本格的なワークショップ!

 

「プジョー」よく見るとテントの柱にライオンマークが入ってます。しかもテントの柱全部にまで、すごい!

 

「ミツビシ」データエンジニアのテント。なんかこれだけ見るとクレープでも売ってそうなくらい可愛らしい。

 
               
         
  「シュコダ」グリーンがこの会場では非常に綺麗にみえました。

 

「フォード」こちらのテントの柱にはスポンサーボード。さすが、細かいところにきっちりしてますね!

 

「スバル」サービス全体がゆったり広くスペースを使っていて、テントとテントの間隔が広いね。

 

「クロノス」青と白のコントラストがリゾートっぽいかも。

 
                 



 

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