スズキ・ワールドラリーチーム、未知の世界へ

スズキ・ワールドラリーチームは来週末、ヨルダン・ハシミテ王国で開催される初の世界ラリー選手権に臨む。ヨルダンは中東各国のなかでもモータースポーツの拠点として急速な発展を遂げている国で、このラリーは史上初めての海抜0mに満たない低地を走るWRCイベントとなる。
圧倒的な砂漠がその景観や路面を特徴付けており、ラリーカーは熱気に満ちた乾いた大気の中、至るところ砂塵だらけの路面の上を走ることになるだろう。とはいえ、大方の予想に反して、用意されているステージは多彩だ。多くのコースは柔らかい砂地のグラベルで構成されているが、それらの一部はサルディニアの路面と似ていなくもない。また、押し固められて磨かれたようなグラベルはまるでアスファルト舗装されているかのようだ。
このような特殊かつ多様なコンディションを乗り切るには、車両のセットアップにある程度幅をもたせて柔軟に対応することと、タイヤを磨耗に耐えさせることが重要だ。クルーについても同じことが言えるが、スズキ・ワールドラリーチームのドライバー、トニ・ガルデマイスター選手とP-G・アンダーソン選手は2人とも若く適応性が高いため、これまでの経験を活かして各場面に合わせた走り方で対応することが出来るだろう
WRCを競うどのチームにとっても初のイベントとなる今回、各チームの経験によるアドバンテージが少ないことはWRCデビューイヤーのスズキ・ワールドチームにとって大きなチャンスになるだろう。木曜の夕方、死海に臨むイマール・サウス・パークでセレモニアル・スタートが催され、ヨルダン・ラリーが開幕する。競技はその翌日25日金曜の朝から開始され、SX4 WRCは27日日曜までの3日間を通じて総距離359.26kmに及ぶ22のスペシャルステージを走る。

カーニュース:
スズキ・ワールドラリーチームはこれまでの4戦中、3つのイベントでドライバーポイントやマニュファクチャラーポイントを獲得してきた。今回ヨルダン・ラリーではさらなるポイント獲得を狙う。
多くのチームがヨーロッパ内でヨルダン・ラリーに備えたテスト走行を実施してきているが、実際のヨルダン国内での試走はレギュレーションで禁じられているため、どのチームも本当のコンディションは体験していない。そのため、いち早く状況を読み取り、それをセットアップに反映させることが今回のラリーで最も有効な戦術といえる。
SX4 WRC自体も、この未知のラリーに対応できるように各部の耐久性と信頼性を向上している。エンジンの制御系には信頼性に重点を置いた改良が加えられており、高温への対策として冷却系も見直されている。車体のアンダーカバーやオイルサンプもラフな路面に耐えるよう特に強化されており、ロードホールディング向上のためにダンパー特性も見直され工夫されている。

ドライバーニュース:
トニ・ガルデマイスター選手とP-G・アンダーソン選手にとって今回で5度目となるSX4 WRCでのイベント参戦だが、両選手にとってヨルダンはまったく未知のラリーである。WRCを競うドライバーのなかには以前にヨルダンで開催された地方選手権で走行を経験した者もいるが、トニ選手とP-G選手は同国に入国するのも今回が初めてである。

トニ・ガルデマイスター選手 コメント
「どんなラリーなのか想像もつかないんだ。土地勘の無い場所でラリーが行われるうえに、そこに何が待ち受けているのか全く見当もつかない、というのが正直な感想だよ。なんだか落ち着かない気分だ。いままでにこんなシチュエーションを経験したことは無いからね。僕の予想ではヨルダンは他のどことも違う性格のラリーだろうと思う。多くのドライバーにとって初めて走るラリーだというのは僕達にとってはチャンスになるかもしれない。もちろん、SX4 WRCはどのラリーでも上位6位に入れるだけのポテンシャルは秘めていると思っているけどね!時が来れば全てうまく回るだろう。今はとにかく、ベストを尽くして結果につなげていくよ。」

P-G・アンダーソン選手 コメント
「なんだかミステリー・ツアーに参加しているみたいだ。でも、きっとそれは多くの選手にとって同じことなんだろうな。僕は、今年のこれまでの4つのイベントに臨んできたのと同じやり方で今回のラリーを走ろうと思っているよ。つまり、焦らないようにして、他のみんなと比べてどこでプッシュすれば良いのか考えて走る。今のところ、僕達のペースは決して悪くないと思っている。それから、前回のアルゼンチンから車両がどういうふうに変わっているのか僕はまだよく知らないけれど、当面は確実に完走できるように信頼性をあげることに集中しなければならないんだろうと考えているよ。」

チームニュース:
これまで4戦を終えて、スズキ・ワールドラリーチームはようやく本格的に組織として機能し始めている。けして楽な道のりではないが、車両もまた、地に足の着いた堅実な進化を遂げている。とはいえ、今回走ることになるヨルダンの砂漠―見知らぬ大地を過小評価する者は誰もいない。チーム代表の田嶋伸博は経験豊富なドライバーとして次のようにコメントしている。

スズキ・ワールドラリーチーム チームプリンシパル 田嶋伸博 コメント:
「ここで成功を収めることはきわめて難しいことです。世界ラリー選手権は難関ですし、だからこそ私達を魅了するのです。一戦一戦が、新たな、より大きい課題として私達の行く手にたちはだかっていて、今私達の目の前に待ち受けているのがヨルダン・ラリーです。高温と変化に富んだ路面は車とドライバーにとって多大なストレスになるでしょう。ドライバー両名が言っているとおり、私達はヨルダン・ラリーがどういうものなのか予想できていません。しかし彼らの言葉にもありますが、誰にとっても未知の要素が多いイベントですから、それを好機と取って最善を尽くすのみです。今回、私達にはまだたくさん学ばなければならないことがありますので、現実的な目標は本来なら控えめに設定するべきなのかもしれません。ですが私は、できれば両方の車で車両の改良を進めながらポイントを獲得するということを目標と設定したいと考えています。その目標がもしも達成できたら本当に快挙です。」

 

 
   
 
 
 
 
 

 
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